特報 堕天の狗神 SLASHDOG
2014年 06月 30日
ねぇ、鳶雄。
私、必ず帰ってくるから――。
彼女はそう告げて――帰ってこなかった。
その日から、黒き『狗』の物語が始まる。
High school......
SLASH DOG
-黒刃の狗神-
Longinus. Canis Lykaon SIDE
陵空高校に通う高校二年生の少年――幾瀬鳶雄は、修学旅行を前に熱を出して欠席を余儀なくする。
しかし、陵空高校の二年生たちは、修学旅行先で起こった事件により、消息不明となった。
取り残された鳶雄と、修学旅行に参加できなかった生徒たち。
彼らの前に現れたのは――異能を持つ生物を操る、かつての同級生たちだった。
そして、鳶雄をサポートする謎の存在により、彼らが得た力も――異能を有した生物だった。
私たちが生き残るには襲いかかってくるモノを振り払わなきゃいけないのよ。それがたとえ親友であろうと――。――生き残った生徒の一人・皆川夏梅
彼らが持つそれは『独立具現』型のプロトタイプだと言われていた。
へぇ、おまえのは犬か。こっちは猫だ。俺のは、なんでも貫く槍みてえなもんだ。――生き残った生徒の一人・鮫島綱生
だが、幾瀬鳶雄の持つその狗はあまりに異能めいた魔刃を生やす――。
よくよく縁があるようだ。我が一族と黒き翼の一団は。――????の幹部・姫島唐棣
今度は見逃すわけにいかない。何せ、一族の沽券がかかっているのだから。
……やはり、戦がないからこそ、腐るのだ……ッッ! その結果がこれなのだぞ、我が総督よッッ!――黒き翼を持つ男の仲間
その男の憂いは現実と化してしまった――。
キミたちのなかに本当にあれがいるのなら、ぜひとも戦ってみたいものだな。――龍を宿す銀髪の少年
いまだ見ぬ生涯のライバル。けれど、出会うまでの時間で『黒』の狗と遊ぶのも悪くない――。
きっと、これは運命なのですよ。私とあなたのなかには似たものが宿っているのですから。――魔法を使う少女・氷のラヴィニア
その娘もまた身の内に強大なものを宿して生まれた――。
おまえがその『狗』を持ったのか。
わかっているのか?
その『狗』の黒刃は――人間には過ぎたものだ。
……だが、もし俺たちの『刃』となってくれるなら、共に斬ってくれないだろうか。
あの者たちを――。
――黒き翼の男
……異能を持った生物……。私が真に欲するのは『神』を冠するという刃の化身です。
その『刃』を持ってして、我が覇道は完遂する。
――『?????』
――それは、赤龍帝がリアス・グレモリーに出会う数年前の物語。
――とある場所で、それは起こり、神を滅ぼす具現の黒刃となった。
――十三種に及ぶ神を滅ぼす具現とされるモノのなかで、唯一“神”の名を冠した。
――それが、たとえ偽りだとしても――。
――彼は“龍”ではなく、“狗”と共に駆け抜ける。
ねぇ、鳶雄。
きっと、また会えるよ。
だから、泣かないで。
――幾瀬鳶雄の幼なじみ・紗枝
皆を救う力と、すべてを断てる力があるのなら、俺は戦うよ。
たとえ、それが神を滅ぼす刃だとしても――。
さあ、行こう、『刃』。
――黒き狗『刃〈ジン〉』の主・幾瀬鳶雄
富士見書房
堕天の狗神 -SLASH DOG-
7月10日
ファンタジアBeyondより連載開始
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