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マテゴハウス 逆襲のヤキトリ


猛暑のなか、あの快適夢空間にまたまた富士見の若手作家が集結する。


マテゴハウス
逆襲のヤキトリ



主な登場人物

・葵せきな
ご存じマテゴハウスに住む唯一神。生徒会の一存作者。大楽さんとの熱々ぶりが発覚し始める。

・大楽絢太
七人の武器屋、テツワンレイダー作者。通称ヤキトリ。常にお金が無い。しかし、カードはある。葵さんとの激闘の末、愛が芽生え始まる。

・瀬尾つかさ
白夢作者。酔っぱらいであり、各種ゲームに精通する人。今回は終始比較的に元気でした。

・細音 啓
氷結鏡界のエデン作者。毎回、先輩の暴走に付き合わされる。しかし、裏では……。

・石踏一榮
ハイスクールD×D作者。中学生の読者に「7巻の乳神って石踏さんのことですよね?」と真剣に考察され、「そうか、俺はいつの間にか異世界の神になっていたのか……」と最近衝撃を受けたりする。


葵さん「全員そろったところで行きましょうか」

私「……ゴメン。また遅刻しちゃった。次は一時間早く来るから!」

この日、私は新しいルートからマテゴハウスに向かおうとして、大失敗し、二度目の遅刻となってしまいました。

その日のマテゴハウスの夕飯は外食ということで、焼き肉チェーン店の牛角へ。


第一章 牛の角作戦

葵さん「牛角で予約しておいたので」

牛角に入り、席に座る面々。

大楽さん「さっそく頼も頼も」

瀬尾さん「じゃあ、これとこれとこれとこれとこれと」

私「細音さん、牛肉ダメなんだよね? じゃあ、豚と鳥やらを」

細音さん「すみません」

次々と運ばれてくる料理。
大楽さんの前に塩キャベツが置かれます。

葵さん「大楽さんは謙虚だなぁ。今日はキャベツだけでいいんでしょ?」

私「ご飯も頼んだから、今日はキャベツ丼だね!」

大楽さん「いやいや、そんなまさか。俺、今日は肉食うで。最近ダイエットしてたし」

葵さん「それはお金が無くて食えなかったからじゃなくて?」

私「そのイメージが強ぇからなぁ。大楽さんが死ぬときは多分餓死だからね」

大楽さん「そんなことあらへんって。ほらほら、じゃんじゃん肉焼こ」

瀬尾さん「あ、この肉うまい!」

私「葵さん、今日はクソゲー持ってきてないんだ。ゴメンね」

葵さん「良かった。ホッとしました。棚に眠る戦極姫が目に映るたびにどうしたものかと困ってたんですよ」

大楽さん「肉、マジうまい!」

遠慮なしに肉を食いまくる大楽さん。
いつもの風景です。

細音さん「キャベツいただきます。ホタテ頼もうかな」

私「ああ、大楽さんの貴重なキャベツが消えていく……。今日はキャベツ丼なんだよね? キャベツ、もう一皿頼んだから」

大楽さん「いや、肉食うし!」

と、まあ、こんな風に大楽さんを肴に食事は進んでいきました。
牛角も終わり、マテゴハウスまでの道中、買い物したり、話をしたり。

スーパーにて買い出し。

葵さん「何買うの?」

瀬尾さん「お腹いっぱいで何も考えたくないよ」

私「大楽さん、焼き鳥買わないの? ヤキトリだし」

大楽さん「止めて。俺、そろそろヤキトリというあだ名を払拭したい……」

ヤキトリはヤキトリを卒業したがってました。

買い物を終え、マテゴハウスに到着するなり、皆、こう言います。

大楽さん「ただいまー」

私「ただいまー」

瀬尾さん「ただいまー」

葵さん「……本当、どういうことなんだろうね」



第二章 混戦

入室するなり、さっそくベッドを占拠する大楽さん。

大楽さん「あー、落ち着くわー」

葵さん「もうベッド取られてる……」

細音さん「何をしましょうか」

瀬尾さん「カードゲーム持ってきたよ」

葵さん「wiiパーティ買ったんで、それを皆でやりましょうか」

私「細音さん、ちょっと協力して。マテゴハウスで是非ともやりたかったものがあってさ」

マテゴハウス 逆襲のヤキトリ_e0127543_22221075.jpg

※本邦初公開、これがマテゴハウスで発表されたエデンガードの全貌である。

細音さん「エデンガードですか!」

私「これをやりたかったんだ……。これで思春期の学生さんたちの悩みは解消されます……。ありがたや、エデンガードありがたや……」

葵さん「じゃあ、人数分Wiiリモコン用意したんでやりましょう」

こうして、宴はスタートされます。

Wiiパーティ。
ミニゲームをしながら、相手を蹴り落とし、ポイントを取っていって総合的に一位になれば勝ちです。

大楽さん「オラ! おまえら、全員死ね!」

※大楽さんの「おまえら、全員死ね」はいつもの通りです。

葵さん「大楽さんだけは勝たせちゃいけないんだ! この! この! 死ね!」

私「なんだか、わからないがとりあえず大楽さんを倒そう」

細音さん「僕はその隙に」

葵さん「クソ! 大楽絢太! しぶといなぁ!」

私「ほれほれ、大楽さん、落ちろ」

大楽さん「おまえら、おかしいやろ!? なんで俺だけ狙うん!? こんなに善良なのに! っと、死ねェェェェッ!」

葵さん「大楽さんの邪魔さえできればいいんで」

大楽さん「ちくしょう! 葵せきなぁぁぁぁぁぁっ!」

相変わらず、葵さんと大楽さんは同期で殺し合いをしてました。
しかし、そのなかでも勝っていく大楽さんの勝利へのこだわりは凄まじい。

大楽さん「おまえら、大したことないなぁ!」

葵さん「悔しいな。この男にやられるのだけは!」

私「まあ、大楽さんやっとけば流れ的に間違いないしな」

細音さん「皆さんヒートアップしすぎて、自分、なかなかポイント取れないんですよね」

大楽さん「俺は神なんや! 勝って当たり前だ!」

葵さん「出たよ、神発言」

私「いつも通りだねぇ」

けれども、なんだかんだで葵さんがポイントかっさらっていって優勢になりました。

ペアで相性チェックをするゲームもやりました。
一通り調べましたが、一番相性が良かったのは――。

大楽さん「やっぱ、なんだかんだで葵さんと一番相性良いんやなぁ」

葵さん「…………」←ちょっと嫌そうな顔。

やっぱり、この二人はラブラブです。


その後、瀬尾さんが持ってきたカードゲームタイムです。

マテゴハウス 逆襲のヤキトリ_e0127543_22255596.jpg


外国のカードゲームらしくて、ルール説明をしてもらいながら、プレイをしていきます。
王様やら建築士やら将軍やらのプレイヤーカードと、建物カード、金貨などを使用して、先に建物を八つ建てると勝ちとなります。

瀬尾さん「てなわけで、皆、カードを手にしたね? プレイヤーカードに番号が振ってあって、1~8、王様が順番に呼ぶから、呼ばれたらその人のターンね」

プレイヤーカードにはそれぞれ能力があって、相手を妨害したり、自分に有利になる能力を発動させながら、建物を建てていきます。
ゲーム中、それぞれの行動。

葵さん:ルールをきちんと把握し、着実に建物を建てていく。相手プレイヤーの妨害もうまい。

瀬尾さん:ルールを説明していきながら、オールラウンダーのようにゲームを進める。

細音さん:静かに着実に、相手に読まれないよう冷静にプレイしていく。

私:ルールを少しずつ覚えながら、カードの特性を自分のためではなく、プレイヤー全体の状況を惑わす方向で進める。

大楽さん:相手に行動を読まれないよう深く深く戦略を練っているように見えて、逆に相手に読まれていた。しかし、パワフルに建物をどんどん建てていく。


プレイヤーカードを選択するとき、大楽さんの番で止まります。
理由は、深く深く考えようとするから。

大楽さん「うーん! うーん! これとこれ……いや、違うな。あれを使ってくるに違いないんや! そうなると、このカードのほうが……」

いざ、ゲームが始まると、

大楽さん「オラ! 金貨をこんだけ払ってレベルの高い建物を建てたで!」

葵さん「じゃあ、こちらのターンで大楽さんの建物破壊するから」

大楽さん「はぁ!?」

私「じゃあ、俺もとりあえず、大楽さんの建物破壊しとくわ」

大楽さん「おまえら、バカか!? どうして俺だけ狙うんや!」

細音さん「その隙に特殊能力のある建物を造らせていただきます」

瀬尾さん「建物カード無くなっちゃった。どうにかしないと」

途中、膠着状態が続き、相手の建物を破壊しては、自分の建物も破壊されるを繰り返します。
主に大楽さんの建物が破壊されていた気がします。
こんな風に数時間もの間、カードゲームに熱中してました。

最終的に、

瀬尾さん「よっしゃ。このターン、金貨を支払って建物を建てる! 建物カード8枚そろった!」

大楽さん「なぁにぃ!? 瀬尾さんの勝ちか!」

葵さん「あ、そうでもないかも。自分のターン、えっと、これで建物を建てて……8枚そろって、建物カード全部のトータルポイントが……」

細音さん「すごい、せきなさんの逆転だ!」

瀬尾さん「マジで! うわぁ、この土壇場で」

葵さん「ギリギリまで勝てるとは思わなかったけど……最後の最後で累計で勝てるかなって」

私「さすがだ。売れっ子は違うわ。これが葵さんと俺らの違いだよ」

細音さん「ですねぇ」

瀬尾さん「いやー、やられたわー」

大楽さん「くそ……」

ゲームと名の付くもので、葵さんは謎のパワーを発揮します。
カードゲームも終わり、深夜の一時。

細音さん「自分はここで帰ります」

葵さん「じゃあ、途中まで送っていきましょう」

私「ついでに買い出ししよう」

こうして、細音さんを送り出し、帰りのコンビニで買い出しをしました。

しかし、ここから本当の地獄は始まるのです。


第三章 地獄の階段巡り

細音さんが帰ったあと、スーパーストリートファイター4をやったりして、時間を過ごしていきました。
最後のゲームとして、再びWiiパーティを選択。

葵さん「ミニゲームをひとつひとつやっていきましょうか」

大楽さん「そっちのボードゲーム風のモードもやりたいなぁ」

Wiiパーティの様々なモードで遊び尽くす私たち。

そんなとき、ひとつのミニゲームが全員の心を捕らえます。

葵さん「一通り、ミニゲームやったけど、どれが良かった?」

大楽さん「階段のぼりやろ」

瀬尾さん「同じく」

私「階段のぼりだね。あれは熱い」

Wiiパーティのミニゲームのひとつで、12段の階段を舞台にそれぞれ1、3、5の数字を四人で出し合い、相手と数字が被らなければ上に進めるゲームです。
本当にルールは単純。
しかし、私たちはそのゲームに無限の可能性を見てしまったのです。

大楽さん「1、3、5しかないけど、なんだか深い読み合いがあるで」

瀬尾さん「なんだろうね、相手を疑えば疑うほど、楽しいんだよね」

大楽さん「相手を出し抜いたとき、最高やで」

私「じゃあ、やろうか」

最初のターン。

全員……『5』!

大楽さん「まあまあ。最初はこんなもん」

葵さん「勝ち気だなぁ、皆」

瀬尾さん「5を選ぶなんて気合入りすぎだよね」

私「そうそう、もう少しクールにいこうぜ」

次のターン…………全員『5』!

大楽さん「5やないか!」

葵さん「これからこれから」

瀬尾さん「そうそう、ここから情勢が変化するから」

私「ハハハハ、よくあるって」

次のターン…………全員、『5』!

大楽さん「バカか! 少しは他のこと考えろや!」

葵さん「そっちこそ、5以外出せって!」

瀬尾さん「ッッ(爆笑中)!!!!!」

私「腹痛ぇ……。何やってんだよ」

その後、階段をのぼるだけのゲームで全員が深い読み合いを始めます。

大楽さん「まるでカイジの世界やで……」

その光景は本当にカイジのようでした。

ざわ・・
  ざわ・・

全員が制限時間10秒をフルに使う壮絶な読み。

瀬尾さん(最初に5を出す。そうすると、必ず次も5を出そうとする。そこで3を出せば通る!)

ざわ・・
  ざわ・・

混戦のときに一歩だけ進んだ葵さんの台詞。

葵さん「一歩。この一歩が大事だ。たかが一歩だけど、一歩でも上へ進む。これだけで気分がまるで違う」

混戦のなかで皆さんが名台詞を吐いていきます。

瀬尾さん「相殺されるデカい数字のあとの小さな妥協。他の三人が5を出す中での3。情勢は変わる」

ざわ・・
  ざわ・・

大楽さん「5を通す! とにかく5を通す! 引いたら負けだ! 5で全部のぼりきる! 5という数字のプレッシャー……ッ!」

あまりに5ばかりにこだわる大楽さんへ葵さんが一言。

葵さん「……この……ッ! 5厨が……ッ!」

大楽さんの新たなあだ名の誕生の瞬間である。

ざわ・・
  ざわ・・

私「……なんてこった……ッ! 読めば読むほど、どつぼにハマる……ッ! これでいけると出した数字……ッ! 通らない! しかし、相手の5は通る……ッ! 負の連鎖! クソ……、俺は誰も信じられない……ッ!」

葵さん「いや、それでいいんですよ。このゲーム、うまいという結果はそれだけ相手を騙すのに長けているということです」

私「うまければうまいだけ、邪悪……! なんてゲーム! こんな単純なルールのゲームが深い闇の底……ッ!」

ざわ・・
  ざわ・・

5厨「最高や……! 5だけで制覇する! この喜び!」

葵さん「5厨の5。5厨は5しか出さない。そうなると5を止める役割が必要だ。誰かがそれを担えば良し。しかし、相殺できなければ……5厨の5は通る……ッ!」

5厨「5を出し続けたあとの3……。これが通る。俺が3を出すという予想外の答え。しかし、だからこそ、効く。そのあと、5……!」

葵さん「……5厨め!」

※細音さんへ。細音さんが帰ったあと、先輩四人は闇のゲームでお互いを疑い、罵りあい、蹴落としながら、盛り上がってました。とてもお見せできる姿ではなかったのです。

葵さん「この階段ゲーム、自分、他のハードで出ても買いたいなぁ」

5厨「これ、クロスレビューで10点満点やろ」

瀬尾さん「楽しすぎるよね」

私「俺らがレビュアーなら、俺は10」

葵さん「10だね」

瀬尾さん「満点でしょう」

5厨「10や。この盛り上がりは異常やで」

なんと、階段ゲームだけで数時間やってました。

5厨「3ポイント先取で勝った人が優勝ということで」

葵さん「それで締めにしましょうか」

しかし――。

5厨「もう一回! 泣きの一回!」

瀬尾さん「いいよ。もう一回やろうよ」

さらに。

5厨「まだまだ! もう一回!」

葵さん「もう一回が何度も続く!」

気づいたら、朝でした。
一人も寝ないで朝まで過ごせたのはマテゴハウス上、初めての光景です。
それだけ皆、階段に夢中となっていました。
いや、本当に最高のゲームですよ、階段のぼり。


そして、終わりのときを迎えます。

私「じゃあ、そろそろ帰りますか」

5厨「いやー、階段ゲーム最高やったで」

私「富士見の若手作家が集まって、何をしていたかと思えば階段ゲームで心理戦ときたもんだ」

瀬尾さん「盛り上がったねぇ」

葵さん「じゃあ、今回はこんなところでお開きということで」

全員『お邪魔しましたー!』



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by ichiei_ishibumi | 2010-07-25 22:44 | マテゴハウス

ポケモントレーナーとガンプラマイスターを目指した時期もあったラノベ作家「ハイスクールD×D(HighschoolDxD)」原作者(Author)・石踏一榮のブログ


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